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指揮者インゴ・メッツマッハーは2004/05年シーズンで、8年務めたハンブルク州立歌劇場音楽監督の座を去る。今シーズン最後を飾る4/10~6/18の期間は、"FINALE"と銘打たれたシリーズで、これまでの主要プロダクションを上演中である。
![]() メッツマッハーは1957年ハノーファー生まれ。名チェリスト、ルドルフ・メッツマッハーの息子である。ギーレンの下フランクフルトオペラで研鑚を積んだことからも分るとおり、20世紀作品を得意としており、若くしてヘンツェ、シュトックハウゼン、リームといった作曲家達の上演を手がけてきた。 97/98年シーズンからハンブルク州立歌劇場音楽監督に就任し、99年からは同劇場の芸術監督も兼任。2000年以降は必ず年に一つは戦後オペラ(ノーノ、ベリオ等)の上演に務めたもきた。しかし客の入りの悪い現代ものは財政赤字の原因でもある。ヴォルフガング・リームと約束したオペラ上演が果たせなかったこともこの劇場を去る遠因だったと語っていた。そういう意味で、昨年初演のシェーンベルク「モーゼとアロン」が大成功を収めたことは、ハンブルク時代のハイライトだったという。またワーグナーの諸作品、特にパルシファルを手がけたことも彼個人としては意味が大きいようだ。 メッツマッハーのハンブルク時代最大の功績は、現代を代表する演出家ペーター・コンヴィチュニーと集中的なプロジェクトを組んだことである。先のシェーンベルク「モーゼとアロン」まで計10作のプレミエ上演。来月のモーツァルト「皇帝ティートの慈悲」初演が11作目となりラストを飾る。現在進行中の"FINALE"月間では、先に記事にしたルルをはじめ、マイスタージンガー、ローエングリーン、魔弾の射手、ヴォツェック、ドン・カルロなど話題をさらったコンヴィチュニー作品が目白押しである。 ![]() この両者、共に有名な音楽家を父に持つ2世音楽家という共通点がある。コンヴィチュニーはオペラ音楽の分った演出家であるがゆえに、メッツマッハーと議論を重ねて演出を作り上げてゆけるのだそうだ。一見音楽の流れを壊しているかのように見える大胆な演出でも、メッツマッハーの音楽的な理解と容認があってこそ実現される。(ちなみに先の「ルル」で上演前ギタリストにWedekindliedを歌わせたのはマエストロのアイデアだとか。) 私が初めてメッツマッハーを聴いたのは、ハンブルクに来て早々の04年2月のこと。ハンブルクフィル創立125周年の記念コンサートでのマーラー「復活」だった。州知事による長い演説(選挙前だったので頑張りすぎ!そのせいもあってか選挙は歴史的大勝利に。)の一節で、“メッツマッハーが間もなく退任”と語ったところで、マエストロ登場前にも関らず、演説を中断させるスタンディングオベーションが起こったので驚いた。(次に新シェフの名前、シモーネ・ヤングが語られると、多くのため息がおこった。)ハンブルクを過激な演出の場としたことに対する色々な批判はあったようだが、8年間という歳月はやはり長いのだろう。ハンブルク市民も彼が去ることを淋しく思っているようだ。私としても残り僅かの指揮を大いに楽しみ、また今後の活躍に期待したい。メッツマッハーは来シーズンから、アムステルダムのオランダ国立オペラのシェフに就任する。 (どうでもいい話:)彼の風貌を見て、「大草原の小さな家」の父さん役マイケル・ランドンを思い出してしまうのは私だけでしょうか? オペラ座まで自転車に乗って来る姿を何度か見かけた。わりと開演ギリギリに到着しているけど、近所に住んでるのかな?それとも開演前にサイクリングするのが好きなのかな?ぼろい自転車を見ると親近感を抱いてしまうのでした。(^_^) by hummel_hummel | 2005-04-26 06:43 | オペラ@Hamburg
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